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ドローンの「飛行許可」追加基準のまとめ
ドローンの飛行許可の「審査要領」には、基本的な許可基準のほかに、各飛行方法等において追加となる基準が記載されています。
ここでは、包括申請で一般的な、①「人口集中地区」、②「夜間飛行」、③「目視外飛行」、④「人又は物件からの距離30m未満」における追加基準についてまとめてみました。
包括申請で追加される「許可基準」
ドローンの飛行許可申請で最もポピュラーな「包括申請」では、基本的に下記の4つの項目を含めることができます。
- 人口集中地区(DID)
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人又は物件からの距離30m未満の飛行
ここでは、それぞれの項目で必要とされる追加基準についてまとめています。
人口集中地区の追加基準
人口集中地区(DID)でドローンを飛行させる場合の追加基準は、下記のようになっています。
- 人又は家屋の密集している地域の上空における飛行を行う場合は、次に掲げる基準に適合していること。ただし、無人航空機の機能及び性能、無人航空機を飛行させる者の飛行経歴等、安全を確保するために必要な体制とあわせて総合的に判断し、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認められる場合は、この限りでない
-
(1)無人航空機の落下による第三者に対する危害を防止するため、人又は家屋の密集している地域の上空であっても、第三者の上空で無人航空機を飛行させないことを要件とし、この場合において、次に掲げる基準に適合すること。
-
a)機体について、第三者及び物件に接触した際の危害を軽減する機能を有すること。
該当する機能の例
- プロペラガード
- 衝突した際の衝撃を緩和する素材の使用又はカバーの装着
- 衝突防止センサー
(正常に機能していること及び当該センサーの有効範囲や性能上の限界等の範囲内である場合に限る)等
b)無人航空機を飛行させる者について、意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。
c)安全を確保するために必要な体制について、第三者の上空で無人航空機を飛行させないよう、次に掲げる基準に適合すること。
- 飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。
(適正な立入管理区画を設定する場合は、補助者の配置に代えることが可能です。) - 飛行経路の直下及びその周辺に第三者が立ち入らにように注意喚起を行う補助者の配置等を行うこと。
(適正な立入管理区画を設定する場合は、補助者の配置に代えることが可能です。)
以上が人口集中地区における追加基準ですが、特に重要な点としては以下のような点が挙げられるかと思います。
- 第三者の上空でドローンを飛行させないこと。
- 機体について危害を軽減する機能を有していること。
- 補助者を配置すること。
夜間飛行の追加基準
夜間にドローンを飛行させる場合の追加基準は、下記のようになっています。
- 夜間飛行を行う場合は、次に掲げる基準に適合すること。ただし、無人航空機の機能及び性能、無人航空機を飛行させる者の飛行経歴等、安全を確保するために必要な体制等を合わせて総合的に判断し、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認められる場合は、この限りでない。
-
(1)機体について、無人航空機の姿勢及び方向が視認できるよう灯火を有していること。(ただし、無人航空機の飛行範囲が証明等で十分に照らされている場合は、この限りでない。)
(2)無人航空機を飛行させる者について、次に掲げる基準にt適合すること。
- 夜間、意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。
(一定の場合には、昼間飛行の限定解除を受けた無人航空機操縦者技能証明を保有していること、とされています。) - 必要な能力を有していない場合には、無人航空機を飛行させる者又はその関係者の管理下にあって第三者が立ち入らないよう措置された場所において、夜間飛行の訓練を実施すること。
- 夜間、意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。
-
(3)安全を確保するために必要な体制について、第三者の上空で無人航空機を飛行させないよう、次に掲げる基準に適合すること。
- 日中、飛行させようとする経路及びその周辺の障害物等を事前に確認し、適切な飛行経路を特定すること。
- 飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう適切な助言を行うこと。
(適切な立入管理区画の設定又は規定された要件に適合する場合には、補助者の配置を省略できる、とされています。) - 離着陸を予定している場所が照明等により明確になっていること。
以上が夜間飛行における追加基準ですが、特に重要な点としては以下のような点が挙げられるかと思います。
- 機体について、無人航空機の姿勢及び方向が視認できるよう灯火を有していること。
- 第三者の上空で飛行させないこと。
- 飛行経路及び周辺の障害物等を事前確認し、適切な飛行経路を特定すること。
- 補助者を配置すること。
- 離着陸場所が明確になっていること。
目視外飛行の追加基準
目視外でドローンを飛行させる場合の追加基準は、下記のようになっています。
- 目視外飛行を行う場合は、次に基準に適合すること。ただし、無人航空機の機能及び性能、無人航空機を飛行させる者の飛行経歴等、安全を確保するために必要な体制等とあわせて総合的に判断し、航空機の航行の安全が損なわれるおそれがないと認められる場合は、この限りでない。
-
(1)機体について次の基準に適合すること
a)自動操縦システムを装備し、機体に設置されたカメラ等により機体の外の様子を監視できること。
b)地上において、無人航空機の位置及び異常の有無を把握できること。
(不具合発生時に不時着した場合を含む。)c)不具合発生時に危機回避機能(フェールセーフ機能)が正常に作動すること。
該当する機能の例
- 電波断絶の場合に、離陸地点まで自動的に戻る機能(自動帰還機能)又は電波が復帰するまで空中で位置を維持する機能。
- GPS等の電波に異常が見られる場合に、その機能が復帰するまで空中で位置を保持する機能、安全な自動着陸を可能とする機能又はGPS等以外により位置情報を取得できる機能。
- 電波の電圧、容量又は温度等に異常が発生した場合に、発煙及び発火を防止する機能並びに離陸地点まで自動的に戻る機能若しくは安全な自動着陸を可能とする機能。
(2)無人航空機を飛行させる者について、次に掲げる基準に適合すること。
a)モニターを見ながら、遠隔操作により、意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること及び飛行経路周辺において無人航空機を安全に着陸させることができること。
b)必要な能力を有していない場合には、無人航空機を飛行させる者又はその関係者の管理下にあって第三者が立ち入らないよう措置された場所において、目視外飛行の訓練を実施すること。
(3)安全を確保するために必要な体制について、次に掲げる基準に適合すること。
a)飛行させようとする経路及びその周辺の障害物件等を事前に確認し、適切な飛行経路を特定すること。
b)飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。(ただし、補助者を配置しない飛行の基準に適合する場合はこの限りでない、とされています。)
(4)その他
規定された方法により航空機の状況を常に確認できない場合は、航空情報の発行手続きが必要であるため、以下の対応を行う体制を構築すること。
- 飛行を行う1開庁日前までに、その飛行内容について、飛行する場所を管轄する地方航空局長(「管轄地方航空局長」)へ、以下の項目を通知すること。(予め、管轄地方航空局長から通知先を指定された場合には、指定された機関へ通知を行うこと、とされています。)
a)飛行日時:飛行の開始日時及び終了日時
b)飛行経路:緯度経度(世界測地系)及び所在地
c)飛行高度:下限及び上限の海抜高度
d)機 体 数:同時に飛行させる者の連絡先
e)機体諸元:無人航空機の種類、重量 等
f)問い合わせ先:無人航空機を飛行させる者の連絡先 - 日時及び経路を確定させて申請し承認を取得した場合には、速やかに管轄地方航空局長に対し、その旨通知すること。
以上が目視外飛行における追加基準ですが、特に重要な点としては以下のような点が挙げられるかと思います。
- 機体について自動操縦システムを装備し、機体の外の様子を監視できること。
- 地上においてドローンの位置及び異常の有無を確認できること。
- フェールセーフ機能が正常に作動すること。
- 飛行経路及び周辺の障害物等を事前に確認し、適切な飛行経路を特定すること。
- 補助者を配置しない場合には、さらに追加となる基準に適合すること。
- 航空情報の発行手続きが必要とされる場合には、飛行を行う1開庁日前までに通知すること。
人又は物件からの距離30m未満の追加基準
人又は物件からの距離30m未満でドローンを飛行させる場合の追加基準は、下記のようになっています。
- 地上又は水上の人又は物件との間に30mの距離を保てない飛行を行う場合は、次に掲げる基準に適合すること。ただし、無人航空機の機能及び性能、無人航空機を飛行させる者の飛行経歴等、安全を保持するために必要な体制等とあわせて総合的に判断し、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認められる場合は、この限りでない。
-
(1)無人航空機の落下による第三者に対する危害を防止するため、第三者の上空で無人航空機を飛行させないことを要件とし、この場合において次に掲げる基準に適合すること。
a)機体について、第三者及び物件に接触した際の危害を軽減する機能を有すること。
該当する機能の例
- プロペラガード
- 衝突した際の衝撃を緩和する素材の使用又はカバーの装着
- 衝突防止センサー
(正常に機能していること及び当該センサーの有効範囲や性能上の限界等の範囲内である場合に限る) 等
b)無人航空機を飛行させる者について、意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。
c)安全を確保するために必要な体制について、第三者の上空で無人航空機を飛行させないよう、次に掲げる基準に適合すること。
- 飛行させようとする経路及びその周辺を事前に確認し、適切な飛行経路を特定すること。
- 飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言をおこなうこと。
(適切な立入管理区画の設定又は規定された要件に適合する場合には、補助者の配置を省略できる、とされています。) - 飛行経路の直下及びその周辺に第三者が立ち入らないように注意喚起を行う補助者の配置等を行うこと。
(適切な立入管理区画の設定又は規定された要件に適合する場合には、補助者の配置を省略できる、とされています。)
以上が人又は物件からの距離30m未満の飛行における追加基準ですが、特に重要な点としては以下のような点が挙げられるかと思います。
- 第三者の上空でドローンを飛行させないこと。
- 機体について危害を軽減する機能を有していること。
- 補助者を配置すること。
まとめ
ここまで、ドローンの包括申請で含めることのできる、「人口集中地区」、「夜間飛行」、「目視外飛行」、「人又は物件からの距離30m未満」の4つの項目で必要とされる追加基準について見てきました。
いずれの項目においても基本的に必要とされる追加基準としては、下記のようなものが挙げられるかと思います。
- 第三者の上空を飛行させないこと。
- 機体について必要な機能を有していること。
- 補助者を配置すること。
4つの項目のうち、「目視外飛行」では補助者を配置しない場合の追加基準が定められていますが、他の項目では補助者が配置されていることが前提となっています。
ドローンの飛行においては、補助者の果たす役割が、それだけ重要だと言える証拠かもしれません。