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ドローンの飛行で許可や承認が必要なケース
ここでは、ドローンで許可や承認が必要になるケースについて解説します。
ここでいうドローンとは、機体とバッテリーを合せた重量が100g以上のドローンを指しています。この場合のドローンは、航空法上の「無人航空機」に該当し、航空法の規定に沿って飛行させる必要があります。
ドローンで許可や承認が必要なケース
ドローンで許可や承認が必要になるのは、「特定飛行」と呼ばれる飛行を行うケースが該当します。
特定飛行でドローンを飛行させる場合には、原則として国土交通大臣の許可や承認が必要です。
「特定飛行」は、4つの飛行空域と6つの飛行方法に分けて規定されています。
許可や承認の申請は、ほとんどの場合「DIPS2.0」という国土交通省が管理運営するオンラインシステムを通じて行います。
それ以外では、郵送やメールでの申請も受付け可能となっています。
以下、特定飛行について解説していきます。
ドローンで許可が必要なケース
下記の4つの空域でドローンを飛行させる場合は、「特定飛行」に該当し、国土交通大臣の「許可」が必要になります。(航空法第132条の85第2項及び第4項2号)
- 空港等の周辺の空域
- 150メートル以上の空域
- 人口集中地区の上空
- 緊急用務空域
許可が必要な4つの飛行空域(特定飛行)
- ➀空港等の周辺
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この空域は、主に飛行場周辺の、航空機の離着陸の安全を確保するために必要なものとして国土交通大臣が告示で定める空域をいいます。この空域には、空港以外でも病院などに設置されているヘリポートなどが含まれることもあります。
実際の飛行空域が「空港等の周辺空域」に該当するかどうかは、国土地理院のホームページなどで確認することができます。
また、空港等の周辺空域は、各空港ごとの離陸・着陸の影響などにより規制空域が変わるため、飛行の前に確認しておくことが必要です。
- ➁150m以上の上空
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この空域は有人機との接触を避けるために設定された空域です。
この場合の高さは、「地表または水面」からの高さであり、「標高(海抜)」とは異なる点に注意する必要があります。
- ➂人口集中地区の上空
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人口集中地区とは、DIDとも呼ばれ、五年ごとに実施される国勢調査の結果から一定の基準に基づいて設定される地域のことをいいます。
飛行場所が人口集中地区(DID)に該当するか否かは、国土地理院のホームページで確認することができます。
- ④緊急用務空域
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大規模な災害などが発生した場合に、警察、消防等が緊急に用務を行うことを想定して国土交通大臣により設定された空域のことをいいます。
普段は飛行可能な空域であっても、緊急用務空域に設定された場合には原則飛行禁止となります。
緊急用務空域が設定された場合の情報は、国土交通省のホームページまたはX(旧ツイッター)で発信されるようになっています。
ドローンで承認が必要なケース
下記の6つの方法でドローンを飛行させる場合は、「特定飛行」に該当し、国土交通大臣の「承認」が必要になります。(航空法第132条の86第3項及び第5項第2号)
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人又は物件からの距離が30m未満の飛行
- 催し場所上空での飛行
- 危険物の輸送
- 物件の投下
承認が必要な6つの飛行方法(特定飛行)
- ➀夜間での飛行
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ドローンは日中に飛行させることが原則となっており、夜間に飛行させる場合には承認が必要となります。
「日中」とは、国立天文台が発表する日の出の時刻から日の入りの時刻までの間を指します。
夜間の飛行とは、日没から日の出までの飛行のことをいい、例えば日の出を撮影するために、夜明け前からドローンを飛行させる場合なども夜間飛行に該当します。
- ➁目視外での飛行
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目視外飛行とは、操縦者が実際にドローンを目で見ない状態での飛行のことをいいます。
モニターを見ながらの飛行やゴーグルを付けたFPV飛行などが該当しますが、眼鏡やコンタクトレンズを付けての飛行は該当しません。
ドローンは常時目視により監視して飛行させることが原則とされており、目視外での飛行には承認が必要となります。
- ➂人又は物件との距離を確保できない飛行
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ドローンは人又は物件から30m以上の距離を保って飛行させる必要があります。この距離を確保できない場合には承認が必要となります。
この場合の「人」とは、「第三者」のことをいい、第三者とは、ドローンの操縦者とその関係者以外の人のことをいいます。
また、「物件」とは、第三者が管理している建物や自動車、鉄道車両などの物件をいい、電柱、電線、信号機、街灯なども含まれます。
- ④催し場所上空での飛行
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多数の者が集合する催し場所の上空における飛行は原則禁止されており、この空域におけるドローンの飛行には承認が必要となります。
「多数の者が集合する催し」とは、特定の日時に開催される多数の者が集まるものを指します。これに該当するかどうかについては、集合する者の人数だけでなく、特定の場所や日時に開催されるかどうかなど総合的に判断することとされています。
例えば、祭礼、縁日、展示会などのほか、スポーツ大会、運動会、屋外でのコンサートなどは該当しますが、信号待ちや混雑による人込みなど自然発生的なものは該当しません。
- ⑤危険物の輸送
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ドローンによる危険物の輸送も原則禁止されており、該当する場合には承認が必要になります。
「危険物」とは、火薬類、高圧ガス、引火性液体、可燃性物質、酸化性物質類、毒物類、放射性物質、腐食性物質などが該当します。
ただし、ドローンの飛行のために必要な燃料や電池、安全装置としてのパラシュートを開くための火薬類や高圧ガスなどは該当しません。
- ⑥物件の投下
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ドローンから物件を投下することは原則禁止されており、該当する場合には承認が必要になります。
物件の投下には、水や農薬等の液体や霧状のものの散布も含まれますが、ドローンを使って物件を置くだけの行為は物件の投下には該当しません。
罰則について
以上みてきたように、ドローンで特定飛行を行うには国土交通大臣の許可や承認が必要になります。許可や承認なしに特定飛行を行った場合には航空法違反となり、50万円以下の罰金が科される可能性がありますので十分な注意が必要です。
ドローンで特定飛行を行う場合には、必ず許可または承認を得たうえで行うようにしましょう。
もしドローンの許可や承認の申請の仕方がよくわからないという場合には、ドローンの許可申請に詳しい専門家に相談してみることをおすすめします。