ドローンに関わる法律にはどんなものがある?

ドローン

今現在、ドローンは、空撮だけでなく測量やインフラ点検、農薬散布などいろいろな分野で盛んに活用されています。

また、そういった業務でドローンを飛ばすだけでなく、単純に趣味やレジャーで楽しんでいる方も、たくさんいらっしゃることでしょう。

ただ、どういう形であれ、ドローンを飛行させるには様々な法律が関わってくる可能性があります。

ここでは、ドローンに関わりのある法律にはどのようなものがあるのか、その主なものについて解説します。

目次

ドローンと関わりのある主な法律

1. 航空法

「航空法」は、ドローンと最も関わりの深い法律です。

航空法の規定をまったく知らずにドローンを飛行させるのは、大変危険です。

ドローンを飛行させる前に、必ず航空法の規定を確認しておくようにしましょう。

通常ドローン(重量100g未満のものを除く)は、航空法上の「無人航空機」に該当します。(航空法第2条第22項)

そのため、ドローンで「特定飛行」と呼ばれる飛行を行う際には、航空法の規定により国土交通大臣の許可・承認が必要になります。(航空法第132条の85第2項及び第4項第2号、航空法第132条の86第3項及び第5項第2号)

航空法の規定に違反してドローンを飛行させた場合には、罰金などの罰則が科される可能性がありますので、十分に注意してください。

「無人航空機」とは

航空法において無人航空機とは、次のように定義されています。

航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるものをいう。」(航空法第2条第2項)

航空法施行規則第5条の2により、重量100g未満のものは無人航空機の対象からは除外されます。

2. 小型無人機等飛行禁止法

小型無人機等飛行禁止法は、正式名称を「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」といいます。

この法律においては、重要施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空における小型無人機等の飛行が禁止されています。

同じドローンでも、重量100g未満のものは航空法上の無人航空機からは除外され「模型航空機」に分類されますが、その場合であっても小型無人機等に含まれるため、この法律の規制を受けることになります。

「小型無人機」とは

小型無人機等飛行禁止法において小型無人機とは、次のように定義されています。

「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他の航空の用に条することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるものをいう。(小型無人機等飛行禁止法第2条第3項)

規制の対象となるドローン

この法律の規制を受けるのは、

重さに関係なくすべてのドローンが対象となります。

飛行禁止の場所

  • 対象施設の敷地・区域の上空(レッド・ゾーン)
  • 周囲おおむね300mの上空(イエロー・ゾーン)

規制の対象となる施設

規制の対象となる主な施設には、下記のようなものがあります。

  • 国の重要な施設等
    国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所、皇居等
    危機管理行政機関の庁舎
    対象政党事務所
  • 対象外国公館等
  • 対象防衛関係施設
  • 対象空港
  • 対象原子力事業所 等

飛行禁止の例外

下記の場合には、小型無人機等の飛行禁止に関する規定は適用されません。

  • 対象施設の管理者又はその同意を得た者による飛行
  • 土地の所有者等が当該土地の上空において行う飛行
  • 土地の所有者の同意を得た者が、同意を得た土地の上空において行う飛行
  • 国又は地方公共団体の業務を実施するために行う飛行

ただし、対象防衛関係施設及び対象空港の敷地又は区域の上空(レッドゾーン)においては、

  • 土地の所有者若しくは占有者が当該土地の上空において行う飛行
  • 国または地方公共団体の業務を実施するために行う飛行

であっても、対象施設の管理者の同意が必要になります。

飛行禁止の例外に該当する場合でも、対象施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空で小型無人機等(ドローン)を飛行させる場合、都道府県公安委員会等へ通報する必要があります。

違反に対する警察官等による命令・措置

警察官等は、この法律に違反して小型無人機等(ドローン)の飛行を行う者に対し、機器の退去その他必要な措置をとることを命ずることができるとされています。

また、一定の場合には、小型無人機等(ドローン)の飛行の妨害、破損その他の必要な措置をとることも認められています。

違反者に対しては、罰則が科される可能性があります。

3. 道路交通法

道路交通法においては、「何人も、交通の妨害となる方法で物件をみだりに道路に置いてはならない」と規定されています。(道路交通法第76条第3項)

道路(路肩や農道を含む)上でドローンの離着陸などを行う(道路を占有する)場合には、「道路使用許可」が必要になる場合があります。(道路交通法第77条)

出典:警察庁ホームページ

道路使用許可の申請先は、使用する道路の場所を管轄する警察署になります。

4. 電波法

ドローンの操縦や映像伝送、画像伝送には、電波を発射する無線設備が利用されています。

これらの無線設備を国内で使用する場合には、「電波法」に基づく必要があります。

この場合、国内の技術基準に合致した無線設備を使用し、原則として、総務大臣の免許や登録を受け、無線局を開設することが必要です。(電波法第4条第1項)

ただし、発射する電波が極めて微弱な無線局や、一定の技術的条件に適合する無線設備を使用する小電力の無線局については、無線局の免許又は登録は不要になります。

ドローンには、ラジコン用の微弱無線局や小電力データ通信システムの一部が主として用いられています。空中線電力が1W以下で、特定の用途に使用される一定の技術基準が定められた無線局については免許又は登録は不要です。

例えば、Wi-FiやBluetoothなどの小電力データ通信システムの無線局等がこれに該当します。

ただし、これらの無線局は、技術適合証明書等を受けた適合表示無線設備でなくてはなりません。これは、「技適マーク」(技術基準適合証明書等を受けた旨の表示)などで確認することができます。

出所:総務省ホームページ

2.4Ghz帯のドローンには技適マークがついていますが、インターネットで購入したドローンなどで技適マークがない場合には飛行させることができません。

技適マークがついていないドローンを飛行させると、電波法違反になる可能性がありますので、かならず技適マークの付いたドローンを購入するようにしましょう。

5. 民法

民法では、「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。」とされています。(民法第207条)

このため、第三者の土地の上空をにおいてドローンを飛行させる場合に、所有者の同意が必要になる場合が考えられます。

ただし、この場合の所有権が及ぶ範囲は、その土地の所有者の「利益の存する限度」とされており、常に所有者の同意が必要になるわけではないと解されています。

また、これとは別に、ドローンを飛行させていて第三者にケガを負わせたり物を傷つけたりした場合には、民法上の「不法行為」により損害賠償責任が発生する可能性があります。

ドローンと関わりのあるその他の法律

以上ここまで、ドローンと関わりのある主な法律について解説してきましたが、ドローンにはその他にも様々な法律との関わりが考えられます。

具体的には、下記のような法律が関わってくる可能性があります。

  • 海岸法
    航空法上、海岸におけるドローンの飛行は特に制限されていません。しかし、海岸管理者、海水浴場の管理者の管理行為の制約を受けます。
  • 港則法
    港則法が適用される港を「適用港」といい、適用港のうち、喫水の深い船舶が出入りできる港又は外国船舶が常時出入りする港であって、政令で定めるものを「特定港」といいます。
    港周辺で、ドローンを使って作業をしたり行事に参加する場合には、港長や海上保安部への確認と許可が必要になる場合があります。
  • 森林法
    国有林野内でドローンを飛行させる場合には「入林届」が必要になります。
  • 廃棄物処理法
    ドローンの機体やバッテリーには電子回路が組み込まれていることから、捨てる際には産業廃棄物扱いになります。不要な機体やバッテリーは自治体で決められた方法で処分する必要があります。
    また、山中などで紛失してしまった機体をそのまま放置しておくことは、「不法投棄」とみなされるおそれがあります。
  • 都市公園条例
    自治体が管理している都市公園では、ほとんどの場合が条例によりドローンの飛行が禁止されています。

まとめ

これまで見てきたように、ドローンにはたくさんの法律が関わってくる可能性があります。

これまで挙げた法律以外でも、「軽犯罪法」「外為法」「文化財保護法」「自然公園法」などが関わってくることも考えられます。

また、ドローンを飛行させていて事故を起こした場合には、民事上、行政上の責任だけでなく、刑事上の責任で罰を受けることも十分にあり得ます。

ドローンを飛行させる場合には、航空法だけでなく、これら様々な法律にも気を配りながら飛行させることが大切です。

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