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航空法におけるドローンの罰則について
航空法上のドローンに関する罰則
重量が100g以上のドローンは、航空法上の「無人航空機」に該当し、この場合には航空法の規定に従って飛行させなくてはなりません。
もし、違反してドローンを飛行させた場合には、懲役刑などの重い罰則が科される可能性があります。
そうならないためにも、ドローンに関する罰則にはどんなものがあるのか、よく理解したうえでドローンを飛行させることが必要です。
ここでは、航空法上のドローンに関する罰則にはどのようなものがあるのか、その主なものについて解説します。
ドローンの機体登録に関する罰則
2022年の6月からドローンの機体登録が義務化されました。ドローンを屋外で飛行させる場合、重量100g以上のドローンについてはすべて機体登録が必要です。
この規定に違反してドローンを飛行させた場合の罰則は、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
違反の程度によっては懲役刑が科される可能性もある重い罰則となっています。
ドローンの機体登録については、一度登録を済ませた場合でも3年の有効期間が定められている点にも注意する必要があります。
ドローンの飛行許可に関する罰則
ドローンで特定飛行といわれる飛行を行う場合には、あらかじめ国土交通大臣の許可または承認を受けておく必要があります。
許可や承認を受けずに特定飛行を行った場合の罰則は、「50万円以下の罰金」です。
ドローンにおける特定飛行とは、下図にある空域と方法による飛行のことをいいます。
ドローンの飛行計画に関する罰則
ドローンで特定飛行の許可や承認を受けた場合であっても、実際に飛行を行うときには、事前に飛行計画の通報をしておく必要があります。
飛行計画を通報せずに特定飛行を行った場合の罰則は、「30万円以下の罰金」です。
飛行計画の通報は、国土交通省が管理する「ドローン情報基盤システム(DIPS 2.0)」を通じてオンラインで行うことができますので、飛行前には必ず実施するようにしてください。
ドローンの飛行日誌に関する罰則
ドローンで特定飛行を行う場合には、飛行日誌を携行することが義務付けられています。また、飛行日誌には、ドローンに関する各種の情報に加え、「飛行記録」、「日常点検記録」、「点検整備記録」等を記載することが必要とされています。
飛行日誌を携行せずに特定飛行を行った場合や飛行日誌に記載しなかったり、又は虚偽の記載をした場合の罰則は、「10万円以下の罰金」です。
飛行日誌は、紙又は電子データ(アプリなどのシステム管理を含む。)のどちらの形態でも構いませんが、必要に応じ速やかに参照や提示できるようにしておく必要があります。
ドローンの事故に関する罰則
ドローンを飛行させて事故が発生した場合には、直ちに飛行を中止し、負傷者がいる場合にはその救護・通報、事故等の状況に応じた警察への通報、火災が発生している場合の消防への通報など、「危険を防止するための必要な措置」を講じることが義務付けられています。
この危険を防止するための措置を講じなかった場合の罰則は、「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
航空法におけるドローンに関する罰則では最も重たい規定になっています。
ドローンの飛行による事故については、第三者の所有する物件の損壊など特に危険を防止するための措置を講じる必要がない事故であっても、国土交通大臣に「報告」することが義務付けられています。
この報告をしなかったり虚偽の報告をした場合の罰則は、「30万円以下の罰金」となっています。
ドローンの罰則に関するまとめ
ドローンに関しては、趣味やレジャーでドローンの飛行を楽しみたい、そういう方も大勢いらっしゃることでしょう。
しかし、航空法上の規定をまったく知らずにドローンを飛行させてしまうと、思わぬ失敗をしてしまうことも十分にあり得ます。
また、ドローンで事業を行っていたり、業務でドローンを飛行させたりしている方々が、航空法の規定に違反して罰金などを受けてしまうと、社会的な信用を大きく失ってしまうようなことにもなりかねません。
ドローンを飛行させる場合には、知らないあいだに航空法に違反していた、などということの無いよう十分に注意する必要があります。
最後に航空法におけるドローンの罰則についてまとめておきます。
違反行為 | 罰則 |
• 事故が発生した場合に飛行を中止し負傷者を救護する等の危険を防止するための措置を講じなかったとき | 2年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
• 登録を受けていない無人航空機を飛行させたとき | 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
• アルコール又は薬物の影響下で無人航空機を飛行させたとき | 1年以下の懲役または30万円以下の罰金 |
• 登録記号の表示又はリモートIDの搭載をせずに飛行させたとき • 規制対象となる飛行の区域又は方法に違反して飛行させたとき • 飛行前の確認をせずに飛行させたとき • 航空機又は他の無人航空機との衝突防止をしなかったとき • 他人に迷惑を及ぼす飛行を行ったとき • 機体認証で指定された使用の条件の範囲を超えて特定飛行を行ったとき等 | 50万円以下の罰金 |
• 飛行計画を通報せずに特定飛行を行ったとき • 事故が発生した場合に報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき等 | 30万円以下の罰金 |
• 技能証明を携帯せずに特定飛行を行ったとき • 飛行日誌を備えずに特定飛行を行ったとき • 飛行日誌に記載せず、又は虚偽の記載をしたとき | 10万円以下の罰金 |